中学生のキャリア教育主催者

 

キャリアカウンセラー
前田 解子(まえだ ときこ)

3人の子育てをする中で、PTA活動・学校図書館ボランティア・読み聞かせなどをおこないながらキャリアカウンセラーとして、行政機関の職業相談を12年間行っている。平成21年より中学生へ向けてのキャリア教育のプログラムを学校内で開始している。

自分の好奇心に気づき、どう行動すればよいかを知る

「先生が夢を持てっていうけど、夢って何かわからないんだよね。」

末娘のそんな言葉が私をキャリア教育に向わせました。
末娘は自分の内面を語らない子で、母親の私もそれを問いかけることのない日々を過ごしていました。

え?「夢」?「夢」なんて何でもあるじゃん?

その子がふと漏らした疑問にはっとし、そして、この子はなぜ「夢」がわからないんだろう、あれ?そんな私は「夢」を持っているのか?いやそもそも「夢」って何だろう?と自問しました。

それがはじまりで、子どもたちが社会に繋がっていくためのキャリア教育プログラムを構築し、中学校で実施してきました。

自分の内面を語るためには自分と向き合うことが必要で、それはなかなか難しいことです。思春期になるとそれはもっと顕著になります。中学校で各学年と出会っていると学年ごとのキャリア発達の段階の様子がよく見えます。

自分の内面の変化に向き合うしんどさは想像できますが、それでも社会を知るための「職業理解」、自分と向き合い自分の好奇心に気づく「自己理解」、他者を知ることで自分について自覚するための「他者理解」、自分が何を大切にするかを考える「職業観」、周囲との関わりを高めるための「マナー」の分野について伝えることが必要だと考えて、地元の教育委員会に直談判に行き、熱く語った日から気づけば12年が経っていました。運良く受け入れてくれる中学校があり、そこでかかわった先生が異動先でも呼んでくれて、つながり広がってきました。この数年はずいぶんと遠くからの依頼を受けることも増えてきて、自分一人の活動では対応が難しい場面も出てきたため、次の段階へ駒を進める時期なのではないかと考えています。

じゃあ夢って何なの? 夢=好奇心なのだと思います。
キャリア教育のプログラムを受けることで、自分の中にある好奇心の芽に気づき、それを育て明らかにしてくための行動をする。
小中学校のキャリア教育は、その地元の人間が行う方がいい・・・なぜなら地域文化を身をもって知っていることで、プログラムに厚み深みをもたせることが出来るからです。

これからは、キャリア教育の実施に興味を持ってくださる方に、オリジナルプログラムを伝え、もっと広がりをもたせていきたいと考えています。

フューチャー北海道